「海のミルク」と呼ばれるほど栄養が豊富な牡蠣。
男性の精力に欠かせない亜鉛がタップリ含まれていて、アミノ酸やミネラル・ビタミンなど、人間が健康に生きていくために必要な栄養素も豊富。
牡蠣って安くないし、ちょっと無理かな。
牡蠣のエキスをタップリと含んだサプリメント「海乳EX」の実力はいかに?
中身や効果について調査してみました!
目次
海乳EXの詳細
成分 | サフラワー油・牡蠣肉エキス・ビール酵母・ゼラチン・グリセリン・ミツロウ・グリセリン脂肪酸エステル・着色料(イカスミ色素)・ビタミンE ※1日分2粒に亜鉛12mg |
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通常価格 | 1袋540mg×62粒入り 約1か月分 2,052円(税込) |
販売元 | 株式会社 パレベストプラン 健康サポートセンター |
海乳EXの成分
サプリメントに限らず食品類の成分は、内容量が多いものから表示されます。
つまり海乳EXであれば、一番含有量が多いのは「サフラワー油」ということになりますね。
サフラワー油とは、ベニバナ油のこと。
健康に良い効果がないわけじゃないですが、サプリメントにサフラワー油が配合されるのは、添加物としてです。
また、ゼラチン・グリセリン・ミツロウ・グリセリン脂肪酸エステル・着色料(イカスミ色素)も、全てカプセルを作るための添加物。
有効成分ではありません。
ビタミンEには抗酸化作用や血流改善効果がありますが、含有量がとても少ないようなので、サプリ成分の酸化防止剤として配合されているのだと思います。
結論として、海乳EXに入っているもので効果が期待できる成分は、「牡蠣肉エキス」「ビール酵母」の2つ。
この2つを詳しく見ていきましょう!
牡蠣肉エキス
牡蠣が「海のミルク」と呼ばれる理由。
見た目の色が乳白色でミルクに似ていることに加えて、ミルクと同じくらい身体に良い栄養素が含まれているから。
海の完全食品なんて呼ばれることも。
具体的な栄養素は以下です。
- タンパク質
- タウリン
- グリコーゲン
- アミノ酸(アルギニン)
- ビタミンA・B群・C
- ミネラル(亜鉛・鉄・銅・コバルト・カルシウムなど)
この中でも特に海乳EX公式サイトで推している栄養素が、亜鉛・アミノ酸・グリコーゲン・ビタミンB群。
この4つの栄養素を詳しく見ていきます。
亜鉛
- ミネラルのひとつ
- 精子や精液に良い影響を与えることから、精力剤サプリには欠かせない栄養素
亜鉛は多くの食品に微量ずつ含まれているものなので、1品目の食品でたくさん摂れるものは、ごくわずか。
その亜鉛がたくさん摂れる、ごくわずかな食品のひとつが牡蠣です。
- 男性ホルモンであるテストステロンがうまく生成されなくなるため、精力低下の原因となる
- 男性不妊の原因のひとつ
- 精力関係以外でも、味覚障害・皮膚の異常・抜け毛・免疫力の低下など様々な体の不調の原因
アミノ酸(アルギニンを含む)
その食品に含まれているアミノ酸が優れているかどうかを評価する指標に、アミノ酸スコアというものがあります。
つまり牡蠣は、そこそこアミノ酸のバランスに優れた食品ということですね。
海乳EXの公式サイトでアルギニンについて書いていますが、牡蠣のアルギニン含有量は特に高くなく、100gあたり340mg程度です。
参考:文部科学省食品データベース
グリコーゲン
- 動物デンプンと呼ぶこともある、貯蔵糖のこと
- 動物が口から摂取した糖質(ブドウ糖)は、肝臓でグリコーゲンに変えられ、必要なときのために保管される
- 保管されたグリコーゲンは必要に応じて筋肉に運ばれ、エネルギーとして使用される
グリコーゲンをそのまま摂ることは、効率よくエネルギー源を摂取できるということなので、疲労回復・集中力アップ・運動効率アップなどの効果が期待できます。
ビタミンB群
精力に直結しているわけでもなく、特に注目すべきということもないでしょう。
ビール酵母
酵母菌の一種で、ビールを作るときに麦汁を発酵させるために使われるもの。
アミノ酸やビタミン・食物繊維など様々な栄養が含まれていることでも知られていて、ビール酵母をそのままサプリメントにしたのが、エビオス錠です。
つまりエビオス錠の効能効果=ビール酵母の効果と考えてOK。
ビール酵母の効能効果は以下のものです。
- 胃もたれ・消化不良・胃部腹部膨満感
- 食べすぎ・飲みすぎ・胸やけ・胸つかえ・はきけ(むかつき・二日酔・悪酔のむかつき・悪心)・嘔吐
- 胃弱・食欲不振(食欲減退)
- 栄養補給・栄養障害
- 妊産婦・授乳婦・虚弱体質者の栄養補給
あんまり精力アップには関係なさそうです。
「エビオス錠が精液を増やすのに良い!」って口コミも多いですが、ビール酵母が直接精液を増やしているのではなくて、栄養不足で精力低下・精液減少が起きている人が、ビール酵母で栄養を補うと健康に戻るって感じじゃないかなと推測しています。
海乳EXで精力はアップするのか?
成分をひととおり見てみると、「すごい精力アップによさそう!」って感じでもないんですよね。
でも、精力サプリとして海乳EXが有名なのも事実。
(有名=効果があるってことではないですが)
海乳EX自体は公式サイトに、「ウコン」でも「しじみ」でもない完全食品「牡蠣」から生まれたスーパーサプリと書いていることから、肝臓に対するアピールをしています。
ウコン・しじみと言えば、二日酔い対策として有名な食品ですよね。
(最近ウコンには二日酔いを防止する効果はないと言われてしまいましたが…)
それは、牡蠣に含まれるグリコーゲンが肝臓の働きをサポートしてくれるから。
つまり海乳EXを飲み続けることで、悪酔いしにくくなる・肝臓を健康に保ちやすくなるという効果は得られる可能性があります。
論文ではないので全文を閲覧することができないのですが、結果はシッカリと載せられていますので、簡単にまとめておきます。
臨床試験と呼ぶには規模が小さい試験ではありますが、国内の医療機関で行われたものですので、信頼性は高いです。
牡蠣をどれくらい取ったのか書かれていないのかが惜しいですが、牡蠣を4週間摂り続けると、精子数・精子運動量がアップするということはわかりました。
つまり、牡蠣は精子を元気にする・疲れを取れやすくする・エネルギッシュに動けるようにするというサポートから、精力を押し上げる事が期待されます
アルギニンやシトルリンが特別に多いわけではないですし、血管拡張に良い成分が多いわけでもありません。
勃起力が高まる・中折れしにくくなるサプリではないことに注意が必要ですね。
海乳EXは、疲れが取れにくい・最近お酒に弱くなったし精力低下も気になる方には良さそう。
牡蠣自体は精子の量と質を上げてくれることがわかっているので、妊活目的の方にもオススメ。
本当に1袋に牡蠣が155個も入ってるの?
海乳EX公式サイトには下記のように記載されています。
瀬戸内海産のぷりぷりで大きな牡蠣を約155個使用
だけど、牡蠣って高いですよね?
それを155個も入れて、1袋2,000円ちょっとで買えるなんて、おかしいと思うんですが…。
14年もの長い時間をかけて、牡蠣エキスをひとすじに販売をし続けてきた結果、漁師さんや加工メーカー様との繋がりが深まり、高価だった牡蠣エキスを海乳EXは千円台という価格で皆様にご提供する事ができているのです。
14年に渡る会社の努力で、お得な価格まで下げることが出来ましたとの記載があります。
つまり14年前はもっと高かったって事でしょうか…。
ちょっと怪しさも感じるので、成分から牡蠣がどれくらい入っているのか推測してみましょう!
まず、海乳EX1日分に入っている亜鉛は12mgです。
牡蠣100gに亜鉛は約13.2mg含まれています。
(食品データベースより)
生食用の大きめの牡蠣で、だいたい可食部20gくらいですね。
カンタンに、海乳EX1日分=牡蠣5個としておきましょう。
公式サイトにも2粒で生牡蠣5個分の栄養素って書いてあるので、それくらいを想定している模様。
海乳EXは1袋31日分なので、5個×31日=155個。
なるほど、155個になりますね。
牡蠣以外に亜鉛を本当に添加していないとしたら、1袋に牡蠣が155個入っているということになります。
でも、海乳EX1粒は540mg。
牡蠣の亜鉛量は、可食部全てを食べたときに摂取できる量です。
どうやって海乳EX1粒の中に、牡蠣可食部2.5個分を凝縮しているのでしょうか?
牡蠣の可食部水分量は、83%~88%程度。
間をとって85%と考えます。
牡蠣2.5個の可食部は約50g。
50gの85%は42.5gなので、牡蠣2.5個から水分を除くと7.5gが残ることに。
7.5gの牡蠣は、海乳EX1粒には入りませんね。
牡蠣から亜鉛だけを取り出すのは難しいですし、もし亜鉛の抽出を行っているなら亜鉛以外の栄養成分は入っていないことになります。
小さい牡蠣を使っているとしたら、亜鉛量が成立しなくなりそうですし。
私の知らない何かすごい技術が使われている可能性もありますが、牡蠣をギッシリ155個詰め込むのはちょっと無理があるんじゃないかと考えてしまいます。
でも亜鉛が全て牡蠣に由来しているなら、牡蠣の可食部が全部カプセル内に収まる計算に。
それは成り立たないので、海乳EXに牡蠣155個分の栄養が入っているかどうかは、ちょっと疑問です。
海乳EXの副作用を解説
海乳EXは栄養機能食品と表示されています。
これは医薬品のように副作用があるものではなく、特定の栄養を補給できる食品として厚生労働省の定めた基準を満たしたものにつけられる名前。
海乳EXは亜鉛での栄養機能食品です。
亜鉛が一定以上含有していて、亜鉛に対する注意喚起表示がされていればOKなので、実はそれほどスゴイものでもないです。
そして亜鉛の注意喚起表示が、以下のとおり。
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
亜鉛の摂りすぎは、銅の吸収を阻害するおそれがありますので、過剰摂取にならないよう注意
してください。
1日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。
亜鉛は1日30mgを超えると体調を崩す人が出てくるので、海乳EXを1日に5粒以上飲むと副作用が出る可能性があります。
つまり、海乳EXで副作用が起こるとしたら、飲み過ぎによる亜鉛過剰。
表示通り1日2粒までなら、そのような心配はいりません。
本当にごくまれに牡蠣アレルギーの方もいますが、牡蠣のアレルギーは症状がすぐに出ないものです。
あと、ビール酵母と言えば、プリン体が入っていることが心配になる方も多いはず。
海乳EXにはビール酵母由来のプリン体が多少入っているはずですし、プリン体が尿酸値に良くないのは事実です。
ですが、海乳EXを飲んだせいで痛風になるなんてことは絶対にないので、安心してください。
プリン体自体は多少摂っても問題はなく、むしろ適量なら身体に良いものです。
ビール酵母に含まれるプリン体は特別に多いわけではないですし、海乳EXに入っている量なんて本当にわずかでしょう。
ただ、実は牡蠣もプリン体が多いんですよね…。
毎日摂っても大した量ではないんですが、元々尿酸値が高めの方はやめておいた方がいいですね。
痛風(高尿酸血症)と診断された・健康診断で尿酸値が高めと言われた方は、他の精力サプリを選んでください。
海乳EXの飲み方を解説。飲むタイミングは?
海乳EXの成分で、良さそうだなと思えたのは、亜鉛・アミノ酸・グリコーゲンあたり。
どれも、セックスの直前に飲んだからといって精力がアップするものではありません。
つまり海乳EXを飲むタイミングはあまり重要ではありませんが、毎日続けことは大切です。
サプリメントは基本的に空腹時の方が吸収がよくなるので、寝る前に飲むのがオススメ。
忘れてしまったら翌朝飲んでもOKですよ。
朝飲んで、次の分をまた同じ日の寝る前に飲むくらいなら、過剰摂取にはならないので大丈夫です。
牡蠣による精力実験も4週間経過観察していたようなので、まずは4週間忘れずに続けてみてください。
とにかく毎日4週間続けることを目標に飲んでみましょう。
海乳EXの最終評価
精力サプリとして見た場合、特に試す価値は感じません。
少なくとも、勃起力低下が気になる・中折れが気になる人には、試す意味がないサプリです。
利用用途としては、ちょっとでも妊娠確率を上げたい場合、疲労感が抜けない方なら飲んでみてもいいですね。
副作用も起きにくい内容です。
精力サプリを探すなら、精力増強や疲労回復に良いアミノ酸が豊富な、クラチャイダムサプリがオススメ。
「クラチャイダムサプリ おすすめランキング」を参考に選んでください。
牡蠣が入ってるなら晩酌から肝臓を守るサポートにしたかったです。